infodesk.club

キャリアアップする方法・組織とパーソナリティの活用

著者  マネジメントプランニング(株)
奥野嘉夫

Ⅳ 社会人のキャリアについて

 

エリートキャリアとは

私も、戦後生れの人間ですが、戦前のエリート意識というのは、単 に学歴がいいというだけではなく、現在とは全然違ったように思わ れます。

教養としての幅も広く文学・歴史・哲学・芸術など一見生活に必要 無いようなことにも関心を示していました。

ですから、どんな仕事に従事しようとも教養というベースが本業を 活かせる為の基礎ベースとなっていたのです。

特にもの事の判断・決断する時の的確さや今後のことを考える事の 大局観はこういったことから養われていったのではないでしょうか。

そういったものがベースにあるので、自分は一体何をしようか世の 中にどんなお役に立てるのだろうという意識が生れてきたのです。

日経新聞の裏面に私の履歴書のコーナーがありますが、そこで取り 上げられている企業の会長・社長職のかた・著名人の歴史には、必 ず出てくるのが自分の生き様の話しで、何ら特別な事はないという 事を強調します。

 

確かに特別な能力というものは大きくはなかったのかもしれません が、しっかりとした人生観・価値観が確立されています。

また、苦難な事・大失敗したこと、それらに対して何度もチャレン ジした事が綴られていますが強固な志しがあればこそ成果を、だせ てきたのではないでしょうか。

一見当たり前な事ですが、実際の現場でチャレンジすることは、「言

うは易し行い難し」です。

その根底の精神性を支えてきたのが「選ばれし者」としてのエリー ト意識だったのではないでしょうか。

今でこそ個性個性といいますが、本来の個性を育成しきってこれた のは、そのような教育を戦前の学校で実施されていたからではない でしょうか。

確かに今考えるといき過ぎなところもありましたが、人間本来、生 れてきたことの重大さにつきましては、十分教育されてきたのでは ないでしょうか。

現在 80・90 歳を越える高齢者が現在も矍鑠(カクシャク)とされて いる原動力もここから来ているのではなかと確信する次第です。

以前のエリート意識というのは、本人自身の為だけではなく、廻り の人達にいかに役立つ人間になるかというのが、エリート意識の本 質であったのです。 それが、エリートキャリアとしての使命と位置付けていたのです。

 

成長キャリアとは

現在も大学を卒業できますと、「学士」という学位が取得できます。

つまり大卒としてのプライドを証明するものが、本来「学位」とい うものですが、ところが日本では学位を取得するという値打ちより、 どこの大学の出身かということが大切な為に、現在も学位としての 値打ちはほとんどありません。

偏差値の高い大学に入学すること、卒業する事だけがエリートの証 明だと、思いこんでいる人達が、いかに多い事か、それに希望大学

に入学できなければ自分の人生が終わった様に思いこんでいる学生 も現実存在し、在席している大学は、ただ何となく通って学生生活 を送っているのです。

つまり、社会人としてのキャリアの高さは、ともするとどの大学に 入学するかで、決まってしまうものだという認識が現在強くはびこ っているのです。

大学卒だけではなく、高校卒を含めた若者が、現在それを証明する かのように、自分のしたい仕事が見つからないといって、フリータ ーを含めたニートといわれる人達が増えてきています。

 

この根本原因には①学歴社会の偏重、②人生観などの人間形成教育 の欠如 ③家庭環境の脆弱さがあると思われます。 何でもカンでも自由という名の勝手主義が横行しています。

人が成長する為には、その人の時代時代に大きな意味があるのです。

一、 無理難題を言われ実行していく時代 二、 我慢を覚える時代 三、 自発性・協調性を覚える時代 四、 リーダーシップを取って人をまとめていく怖さを知る時代、な ど

このプロセスを順番に踏んで行くことが、自己のキャリア形成の基 本です。 また、どの時代を取っても必要なのが、次の 3 つの基本能力です。

論理的思考(分析力)・真実把握力(事実認識力)・実行力です。

その為には、自分という人物をシッカリと真摯に受け止めることが、 重要です。

兵法にも「敵を知り己を知らば百戦危うからず」と教えています。 何をするにしても自分(己)自身を奢ることなく知っていることが 大切です。 ついつい甘えてしまう弱い心を早く取り除いて行く事です。

 

そして、多方面からの情報をもとに数多くの経験を積んで行く事な のです。

真実把握力

論理的思考 実行力

経 験

①目的・目標の決定

②知識・知恵の習得

③価値観の習得

④表現のし方

社会人のキャリア形成には不可欠なのが経験ということになります。

ただ経験をすればキャリアを積んだということになるのかという、 そういうものではありません。

キャリアをつける・キャリアアップするということは、すなわち産 業構造の中での、自分の市場価値を高めるということに他ならない

のです。

その市場価値を高める為には、一番とされているのが、誰にも出来 ない自分しか持ち得ない固有財産ともいうべき、能力を多く持ちえ ることなのです。

真のキャリア構築は、何のため(目的・目標)なのかということを 忘れてはならないということです。

 

では、どうすればキャリアの創造(市場価値の創造)に繋がるのか というと

① 目的・目標の決定 ② 知識・知恵の習得 ③ 人間性・人生観などの価値観の習得 精神力の開発 ④ 表現のし方(話し方・立ち振る舞い・服装)

自分自身がどんな人生を歩むつもりなのかまたは、どんな人生にし たいのかということの基本を無くしては、どんな経験をしても活か したキャリアというものとはなりえないということです。

昨今は、キャリアアップというと、何か資格を多く取ることだけが、 大切だと考え・理解している人が多いことか、前述したことと矛盾 することになるのですが、今度はネコも杓子も、MBA(経営学修士) 学位を取得したり、国家資格を取得したり、するのが大流行になっ てきています。

確かに資格は無いよりあったほうがいいに決まっているけれど、そ れは、あくまでも知識レベルの習得に過ぎないということです。

その知識をいかに活用するかが、個人の固有財産というべき能力開 発であり、キャリアアップに繋がり市場価値の創造ということにな るのです。

その為に一番重要なのが人間性の開発という事になります。 人に対しの感化力(影響力)は誰でもが欲しがりますが、なかなか 取得するのに時間がかかるものだという事を忘れないでいただきた いものです。

 

市 場 価 値 の 考 え 方 キャリアの創造

① 顕 在 能 力 ’ 潜 在 能 力 = 現在の固有財産 (実績・実力・知識) (未 開 発 部 分)

② 固有財産 ’ 経験 ’ 他者感化力 = 市 場 価 値 (影 響 力) (キャリアの価 値創造)

Ⅴ企業の組織事情

組織という考え方

日本には組織という形で捉える考え方が存在していません。 ただ概念的なものが存在しているだけです。

つまり、欧米社会の組織論的発想ではないという事です。 日本の組織構造の成り立ちが、欧米社会の組織構造の成り立ちとは、 まず違うという事です。

前述しましたように、日本社会の組織構造の成り立ちは、まず「誰 かの為」「お役に立つ」という目的であるという事です。

これは武家社会において確立されたご恩・奉公精神というものが基 本にあるからではないかと考えます。またその背景には必ず「錦の 御旗」となるものが存在していることが必要条件となります。

 

歴史では、明智光秀が織田信長に本能寺で謀反に及びますが、光秀 が謀反を起こした理由は諸説言われていますが、その一つとして光 秀が信長に従ったのは、「天下布武」という御旗があった為あり、朝 廷に対して仕えるというものがあった為で、信長が「余が日本国の 王になる」ということから、絶対とも言うべき朝廷に逆らう朝敵を 討たんが為に、信長を討つべき対象として考え「敵は本能寺」と号 令をかけたのではないでしょうか。

つまり、武家組織というのは絶対という階級の人の為に物事を考え 組織しているのであり、自分の存在はその人の為に「役に立つ」と いう事が「本懐」であるという事で成り立っていたのです。

つまり、技術・技能を磨くのも自分の為ではなく、その絶対という 人の為であり、それがお役に立つといって自分の存在意義の対象と なったのです。 その考え方は、老舗という企業ほど現在も活きています。

そこにいくと欧米社会の組織構造の成り立ちは「何の為」「自分の為」 と必ず、自分中心の目的で確立され、自分の目的達成の為に、他者 を活用し、成果を出していくという考え方が組織を成立させている

という事です。

 

欧米社会での最高権力者は「市民の中から選ばれし者」である為に、 いつでも自分自身がその頂点に立つことができると、いうモノの考 え方が基本にあり、またそれも実現可能だという現実があり、特別 な存在ではないということです

ですから戦いで勝ち続けることで、その地位も名誉も手中にする事 ができ、それが何よりの自己実現であり存在意義だと認識している ことです。自分が自分であって良いという考え方がそれを支えてい るわけです。

日本と欧米の組織構造の違いは、人生観・宗教観の違いから来たも ので、深く探求しないと理解できないものだという事に気づかされ ます。

しかし、そんな特徴のある日本的経営にも欧米型組織論が侵攻しつ つあります。

戦前まであったと思われる絶対の立場であったものが、年を追うご とに形骸化され、個人主義がはびこり、組織にとっての存在意義と 言うべき「錦の御旗」が不明確になるにつれて、自分自身の存在意 義もわからない、勤労目的も見つからない、そんな状態にある社会 状況にあります。

今後日本で経営における組織構築には、「しっかりとした価値観」と 「明確な目的」を持った上で、組織構築しなければ日本的経営の良 さが残らずに欧米化された形ばかりの組織にてしまうのではないで しょうか。

 

組織力について

よく私が経営者の方々から相談を受ける内容に、よく我社の組織は 弱いとか組織力が活かされていない、何とか強くできないものかと いう依頼が比較的多くございます。

その時に言われている組織ということについての考察ですが、ほと んどの経営者の方々が言われている組織と言うのは、組織機能のこ とであるということです。

組織機能とは何かといいますと、作用つまり働きのことを表わして います、経営者が望むことや、考える結果をいち早く実現化させる 行動が できる部下の動きであり、働きを言っているのです。

つまり、上からの都合の組織力であるということが多くあります。 本来の「組織力」という考え方は組織構築において、社員個々人の 特性を活かした組み合わせから産み出される総合力を「組織力」と 言うことになります。

その時点で経営者の方々にも考え方に、勘違いが生じているのです。 現在の社員勤労意欲の源泉は

これは、まさに日本的組織の強みと言われてきたものです。

根本には、上司(経営者)の為に何をすべきかを考え、仕える者と してどうしなければならないか、ということを考えるのが部下(社 員)というものであるというものの考え方が、この機能を維持して いるのです。

仕事につくことを「奉職」と言ういい方をするのもそこから来てい るのではないかと思われます。

これは、常に上席の人に対してどうあるべきだという考えからでて います。 だから、この組織には職務基準というものの価値基準が、明確では なく部下は常に上席者の機嫌を損ねない様にしようという価値観が、 根づいてしまうのです。

仕事に対して優秀とされるのは、上席者に対しての気配り・心配り が重要ポイントで、よく気が付く人材が、優秀とされるところがあ ります。 しかし、そのベースを確立させてきたのは家庭環境であることを忘 れています。

 

Ⅵ間違っている組織論

経営者の方々にも組織論についての考え方に、勘違いをしているこ とが多々ありますが、一番多い間違いに次の事があります。

一昔前の社員勤労意欲の源泉と現在の社員勤労意欲の源泉との違い には、大きな違いがあるということです。

何を間違っているかというと、部下は上司が言ったことを、必ず実 行するものだという間違いです。

一昔前の社会では当たり前でしたしかし、現在ではそうはうまく行 かないのです。これには、家庭環境が大きく影響を出しているとい う事です。

昔の家庭では、子供は父親の威厳から父親の役割を学び、母親が父 親に接する態度から母親の役割を知り、子供達の間でも兄と弟、姉 と妹と言う関係から家庭の中における序列いうものを学んできまし た。

ですから子供も幼い時より、不満があってもどうしようもない不文 律から、我慢を知らず知らずに強制されていましたので、いつの間 にかそれが当たり前と言う認識に変化していったのです。

 

しかし、現在の家庭では歪な親子関係・友達意識で親子関係が成立 してしまっている上に、少子化傾向から兄弟が少ない為に、本来家 庭で学ぶべき社会性というものが、あまり無く、甘えの構造だけが 強くなってきた為に、企業に入っても基礎的な考え(社会性)が身 についていないという現実がここに来て露呈してきました、中には 自己主張というものと、ただのわがままと言う境界線すら認識でき ない若者が増加しています。

上司と部下の関係においても、家庭での親子関係が、お友達感覚で すから、言葉遣いもままならず、自ら学ぶという姿勢が弱い為に、 出来ない事があるとそれは、上司が指導してくれない、教えてくれ ないという認識に繋がっているのです。

特に学生時代優秀と言われた若者は、常に自己評価の対象が成績で あった為に、 成績さえ良ければ、誰にも文句を言われないという経験を持ってい ますので、出来ない事、失敗する事が一番イヤな事になり、実行す る前から無理とか無駄だという判断から結果が出なくなっています。

 

若者の特権である失敗から学ぶという本来のチャレンジ精神という ものは、このようなことからもドンドン失われて行っているという のが、現実なのです。

小生も日々の指導の中で、よく年配の上席者が「何故こんな事ぐら い出来ないのだ今の若者は」という話しを聞きますが、その根本は 家庭にあると言う事を、年配者も、認識して欲しいものです。

現在企業が採用の折、家庭環境について聞いてはいけないというに なっていますが、一番知らないといけないことを聞かずしてどうし ていい社員が採用できようかと言う事です。

いい人材を見つけるのであれば人物本位の評価をして下さいと言わ れますが、現在企業が欲しいのは成績も必要ですが日常生活する為 の基本的な行動が出来る人材が必要だという事です。

企業組織としての考え方も、人材のあり方が変化してきているわけ ですから、当然変わっていかないといけないのです。

以前では強みとされた日本的組織も現在では前記のような要因から、 脆弱になってきているのです。

 

そこで、考え直さないといけないのが、企業体のありかたや組織構 築のあり方であるということです。ではどんな項目で見直していか ないといけないかと言うことを上げてみます。

大局的に ① 企業組織論とか組織構築という考え方は、ほとんど海外からの輸 入ものばかりがもてはやされているということ。 ② 日本の風土から確立された社会性が、今も目に見えない所で息づ いていること。 ③ 仕事観・人生観が曖昧になっている。

小局的に ① 受け身の若者が多くなっていること。 ② 上昇思考の人材が少ない。

③ 精神的に安定志向の人材が多くなってきている ④ 経営者の好き嫌いの人事体制で客観性が少ない。 ⑤ 偏差値での役職決めがあり、実力がともなっていない。 ⑥ ストレスに対して耐性力が低下している。 ⑦ チームワーク力にとぼしい。 ⑧ 責任感とか、ヤリガイとか、対して貪欲でない。

以上の事を考慮し組織構築していかなければ、強い組織を生むこと が出来ないということになります。

つまり、今までのように人数さえいれば何とかなるというのではな く、個人の適性を考え、組合せを考え、業務内容を考え、経営戦略 を考えていかなければ成果は上がらない、というのが事実です。

 

この考えが実行されますと、状況対応、状況把握力が的確にできる と強い組織力の特徴である、下位上達というものが頻繁に行われる ようになります。

強いリーダーシップ(カリスマ性)上位下達もいいのですが、社員一 人一人が責任感とヤリガイに目覚めない限り厳しい現状では生き残 っていけません。

その為に、経営者はいかに個人に気づかせていくか、どのように教 育していくのか、ということがとても大切で重要です。

自律心と責任感に基く協調性が今後の企業組織活性のキーワードに なります。

 

Ⅶ組織人としてのパーソナリティーの活用

失敗しない教育方法について

私の教育経験で一番多いのがいかにして営業成績を上げられる組織

を構築するかと言うことと幹部育成が何とかできないかという事で した。

特に中小規模企業の社長は有り余った社員を使って経営しているの ではなく、ある程度限定された人材の中での経営になりますから、 非常に苦心しておられます。

私がこの教育業界に入ってか ら不思議に思ったことですが、中小 規模企業の社長はどなたも勉強熱心で、大手出版会社主催のセミナ ー・大手新聞社主催のセミナー・銀行主催のセミナーなどありとあ らゆる経営セミナーに参加されています。その為に情報通の社長が 多くいらっしゃいました。

ただ入ってくる情報は大企業向けの事ばかり、だから最後に、お聞 きすると異口同音おっしゃるのが、「 我社ではどうすればいいのか解 らない」「そんな社員いない」という言葉でした。 情報は、それこそ豊富にお持ちだけれど、それは大企業向けの情報 である為に、中小規模企業には即対応はできない、しかし、何とか 形作りたいから多少の無理をする無理が重なって失敗をする。

 

つまり、社歴を重ねて行くうちに、理想とのギャップに悩み、徐々 に 自信をなくすという構図が出来上がってくるのではないでしょうか

私は、現在中小規模企業が元気の無い原因の一つではないかと考え ています つまり、自社の組織力を伸ばす為に学習しているにもかかわらず、 成果をあげる事ができないというジレンマとの戦いだと言うことで す。

以前、研修仲間に聞いた事があるのですが、血液型で B 型が営業に 向いていると言うことを聞いたある中小規模企業の社長は自分自身 も B 型だったので営業社員全てを、B 型だけの組織に変えた結果、

余計に営業成績を落としてしまったという話しを聞いた事がありま す。

ただ、この話しが本当であろうが作り話しであろうが、何とかして 営業成績を上げて行こうと言う社長の涙ぐましい努力は、決して第 三者が笑えるものではありません。

中小規模企業の社長の中には、少しでも成果が出るように又は出せ るように占い師に見てもらっている人も中にはいます。

非科学的と言われようが何であろうが、企業組織力を強くしたい、 採用した社員を最大限に活かしたいという思いからの行動ではない でしょうか

どの中小規模企業の社長も企業を起こした限りは、必ず優良企業に したい、自分の夢を果たしたい、社員にこの会社に就職してよかっ たと思わせたいなど、色々なものが交錯して経営されているのでは ないでしょうか。

 

だから、私共が研修依頼を受けた時に必ず言われるのが「我社社員 を活かせることが出来る研修をして下さい」という要望です。

以前の私は、あまり深く考えないでいた為に、ただのスキル研修な のだから正直そんな事を言われてもという認識でした。

特に営業マン研修では営業マンの心構え、面談のし方などスキル指 導も行ってきましたが、指導してすぐに出きる人、出来ない人に分 かれますと、私自身しょうがないなという認識でしか受講者を見て いませんでした。

ところが、研修時に出来なかった人が、実践では結構実績を上げて きたり、研修時うまくこなせた人が成果を上げてこなかったりとい う現実にぶつかった時に、講師として指導方法が、このまま同じで は講師サイドの自己満足に陥ってしまうという懸念にようやく気付 いてきたのです。

営業の達人が書いた営業ノウハウ本は世の中に大量に出回っており ますし、私も以前その本を読みあさったほうですが、よくよく考え てノウハウ本を、読んでみると基本形は学べるとしても、成果を上 げている細やかな部分に対しては、その人しか出来ない、もっとい うならばその人の個人特性が成果を呼び込んでいることが多いとい うことに行きつくのです。

 

だから、いくら営業の達人のやっているようにやろうとしても、個 人特性のよく似たタイプは真似る事は容易だが、違うタイプが行動 様式をそのまま真似る事には多大なる時間がかかるということが判 明してきたのです。

だから、間違わないで頂きたいのは、基本的な事は必ず学習しない といけませんが、一般的に優秀と言われている人のやり方をいくら 学習しても結果は出にくいと言う事です。

当事者が、本来持っている個人特性を活かせるようにしない限り成 果は望めないと言う事です。

その為には、人材の個人特性を活かした教育体系とキャリアアップ の為の、チャレンジ教育という考え方が必要になってきます。

その為には階層別研修という考え方だけではなく、個人特性別研修 方法も、今後考えて教育投資していかなければ、有効且つ効率のい い教育投資というものにはなりません。

 

Ⅷ.組織人としてのパーソナリティー

人は十人十色といわれるように、それぞれがそれぞれの色をもって います。 最近では、コンピテンシーという考え方が、仕事において高い成果 を上げるための行動特性で示していく方法があります。項目として は、「情報志向性」「人間関係構築力」「対人感受」「組織感受」「対人 影響力」「リーダーシップ」「自制力」などです。

しかし、これらの項目を測定するには手間がかかり過ぎ、運用でも 複雑であるために、実践的でないとも言われています。ただし、一 人の能力の進捗を計るだけであれば使用できると思われます。

そこで、昨今、企業が知りたいのは組織全体の機能性の有無です。 先日も小生が組織分析の依頼を頂戴した企業の社長に「今後、我社 が成長していくために現在の人材構成でいいのか、もしくは、他の 人材を補充したほうがいいのか、また、補充するにしてもどのよう な人材が好ましいのか」が知りたいというものでした。

しかし、組織というものは個人の集合体ですので、その個人がすば らしい人材だとしても、全体の組織を阻害してしまうことがよくあ ります。

個人が十人十色ならば、その個人の集まりである企業も十社十色で す。A 社で成功しからといって、B 社で成功するとは限りません。

 

では、何に影響されるのかといいますと、個人特性のタイプによる バランス、業務、業態、そして、最も影響を受けるのが経営トップ である社長の個人特性により大きく左右されます。

そこで、今回は簡易版ではありますが、弊社の H.R.S(ヒューマンソ リューションシステム)のアンケートチェック項目を掲載いたしま す。 1~28 の各設問項目のチェック方法は「はい」ならば「○」、「 いいえ」ならば「×」、どちらとも言えないであれば「△」を( )の 中へ記入してください。

【設問】 1.責任感を強く人に要求するほうだ。( )A 2.頼まれ事は融通をきかしてしまうほうである。( )B 3.どちらかというと直感で判断する。( )C 4.不快なことがあっても無理に我慢してしまう。( ) ( )D 5.劣等感を強く感じることがよくある。( )D 6.気が短く怒りっぽい。( )C 7.年下の人の失敗に寛大なほうだ。( )B 8.小さな不正でも、うやむやにしないほうだ。( )A 9.年下の人・後輩には厳しく教育するほうだ。( )A 10.権利を主張する前に義務をはたす。( )A 11.日によって気分の変化が激しい。( )C 12.相手の話に耳を傾け共感するほうだ。( )B 13.他人の期待には無理をしてでも応えてあげたい。( )C 14.悲しんでいる人を見たら慰める。( )B 15.“わぁ~““へぇ~“などの言葉をよく使う。( )C 16.自分さえガマンすれば良いと思う事が多いほうだ。( )D 17.ボランティア活動に参加する事がスキだ。( )B 18.「・・すべきだ」「・・ねばならない」という言い方をよくする。 ( )A 19.何かをする時、なかなか踏ん切りがつかない。( )D 20.人から気に入られたいと思うほうだ。( )D 21.人 の 言 葉 を さ え ぎ っ て 、 自 分 の 考 え を 述 べ る こ と が あ る 。 ( )A 22.他人に対して思いやりの気持ちが強いほうだ。( )B 23.誰とでも騒いだりはしゃいだりする。( )C 24.思っていることを口に出せない性質だ。( )D

25.人間関係を重視するほうだ。( )B 26.あけっぴろげで自由である。( )C 27.他人を厳しく批判することがある。( )A 28.遠慮がちで消極的なところがある。( )D

〔 採点方法 〕

○2点、△1点、×0点 とします。

・ 各項目別の合計点数を【表Ⅰ】の A~D それぞれに書き込んで ください ・ A.B.C.D の見分け方は、設問の回答欄( )の左横にある アルファベットに従ってください。 ・ A.B.C.D の中で数値が高い上位 2 項目の組合せ、もしく は、一番高い数値 1 項目を判断の材料とします。

 

【表 1】 A B C D

〔 設問結果の見方 〕 ・ 【表 2】で、自分のタイプを確認してください。 【表 2】 【表 1】上位 2 項目 タイプ A と C が高い CH 〈チャレンジマスター〉 B と C が高い OF 〈オフェンスマスター〉

A と D が高い DE 〈ディフェンスマスタ ー〉 B と D が高い BA 〈バランスマスター〉

【タイプ】 CH 〈チャレンジマスター〉タイプ ・ プロジェクトリーダータイプ、何でもしきり屋さん。 あなたが部下であるならば、上司の言うことには異論があっ たとしても、面と向かっては言いません。 あなたが上司であるならば、役割として言っている認識があ るので、少々厳しい事でも部下に言ってしまう傾向があり、 部下から勘違いされやすいタイプ。

OF 〈オフェンスマスター〉タイプ ・ 情報収集タイプ。 特に自分が関心のある情報に対しては、どんな小さな事でも 聞き逃さない。 基本的に、新規開拓の営業タイプ、サービス業タイプ。 明るく人当たりがよい。

DE 〈ディフェンスマスター〉タイプ ・ プロ根性、職人気質タイプ 何事にも筋を通すタイプで、どんな仕事もキッチリするのだ が、イレギュラーに弱いため、新しい事に取り組もうとする ことが少ない傾向がある。 部下としては一番安心できるタイプ。

BA 〈バランスマスター〉タイプ ・ 管理調整タイプ

もめごとが嫌いで、一人で苦労を背負い込もうとするところ がある。 気を遣うわりに認められにくい。 例えば、あなたが営業マンであれば、値引きをお客様から言 われやすい。

以上のように分けることが出来ますが、今回のチェック項目はあく までも簡易版のため個々の人物タイプを詳細にお伝えすることが難 しいのですが、雰囲気をご理解していただければ幸いです。

 

このようにして、個人特性と組織全体の総合力を診断して参ります と、その企業の問題点や今後の課題が見えてまいります。

昔から、「企業は人なり」と申しますが、まさに、現在は限られた人 材をいかに使うか!ではなく、いかに活かすか!が企業の優勝劣敗 を決定することになります。

 

Categories:   経営・ビジネス

Comments